絵本屋さんに行くと、洋服を可愛く着こなしている動物の絵本が沢山並んでいます。そんな中で、まったくそんな絵本たちに異議申し立てをするかのような絵本を発見してしまいました。『どうぶつにふくをきせたらいけません』です。
  この絵本は、洋服がビリビリに破れてしまったヤマアラシや、大き過ぎる帽子に埋もれてしまって姿の見えないネズミ、セーターを着て汗だくになっているヒツジなどが順々に登場します。
  どの動物も、自分の意思で服を着ているのではなく、着せられたということが、動物達のキョトンとした表情から伝わってきます。そう表情と、洋服によって不自由になった様には、思わず笑わずにはいられませんが、最後には、動物ではなく、自然の生き物に対して利己主義な、私たち人間を風刺している絵本だということに気づかされます。
『どうぶつにふくをきせてはいけません』ジュディ・バレット/作 ロン・バレット/画 朔北社/刊
 この絵本の主人公は、題名のとおり‘がいこつ’です。‘がいこつ’と言えば、必然的に‘死’を連想してしまい、決して気持ちの良いイメージが沸きませんが、この絵本のがいこつさんは、決してそのような負のイメージではなく、むしろ、五味太郎さんのイラストで、親しみやすく、可愛らしいキャラクターに描かれてあります。
  がいこつさんは、まるで生きている人間かのように目を覚まし、「なぜ安心して眠ることができないのか」を思い出すために、病院に足を運んだり、デパートに足を運んだりします。周りの人々は決して驚かず、なんの違和感もなく周囲に溶け込んでいるがいこつさんには、笑いをそそられます。五味太郎さんによるウィットに富んだ作品。
『がいこつさん』五味太郎/絵・作 文化出版局/
 最近、図書館で見つけた絵本。小さな女の子が、自分の身丈の何倍もあるたこを引きずっている表紙絵が気になって、ページを開いてみた作品です。
 女の子がある時、たこのぼうやを家に連れて来て「かってもいい?ねえ いいでしょ。」と父さんにせがみます。けれどもすでに、家の中には、ゾロゾロと沢山の動物が飼ってある…。
 巨大なタコのボウヤを飼おうとする無茶も面白いですが、すでに家にいる動物たちの生活の様子も可笑しくて仕方ないです。でも実際に、動物園にいるような動物を通常の家庭で飼おうとするならば、この絵本に近い状態になってしまうのでは…?
『たこのぼうやがついてきた』ダン・ヤッカリーノ/作 きやまかすみ/訳 小峰書店/刊
 鼻の頭にひげがあるジャリおじさんが、黄色い道をどんどんたどって行く奇妙な旅のお話。
 海を見て暮らしているジャリおじさんは、ある日、うしろを振り向くと、黄色い道がつづいているのを見つけます。その道をたどって行くと、不思議な町並みや、不思議なキャラクターがいっぱい登場します。
 作者おおたけしんろうさんによるユーモラスなキャラクター表現、ページのいたるところにほどこされているコラージュや、独特の空間認識なども楽しい!
 さぁ!あなたもジャリおじさんと一緒に奇妙な旅に出発しよう!ユーモアとミステリーをあわせ持った絵本です。
『ジャリおじさん』おおたけしんじろう/絵・文 福音館/刊